連算発行番号 Caritas Japan News No.286
目次ページに戻る
カリタスジャパンは、2010年8月17日から24日までの日程で、秘書の成井師と事務局稲江を派遣し、ルワンダのプロジェクト視察を実施しました。
ルワンダはアフリカで最も人口密度が高い国の一つです。首都のキガリに入ると、家で埋め尽くされた丘が次々と眼前に広がります。キガリ市内でも遠くの村でも、他のアフリカ諸国で見かける、何もせずにただ座っている人や昼からお酒を飲んでいる人は全く見かけることがなく、勤勉な人々であるという印象を受けます。キガリの中心地は建設途中の近代的なビルが多く見られ、経済的に復興しつつあることがわかります。
1994年の虐殺から、今年で16年になります。虐殺により人口7百万人中、百万人が犠牲になり、30万人が孤児となりました。カリタスジャパンは1999年以来、虐殺孤児がトラウマと逆境を乗り越え、将来自立して生きてゆくための力をつけるために、衣食住費用と授業料を中心とした、孤児院や学校の寮での共同生活支援を行ってきました。今回の視察で、カリタスが支援する9人の若者と話をすることができましたので、その内容を紹介いたします。
左から アジアさん、ジョンさん、エミリエンヌさん
9人のうち、ジョンさん(23歳)、エミリエンヌさん(24歳)、アジアさん(20歳)の3人は高校を卒業することができました。ジョンさんは虐殺で両親を亡くしました。高校で先生になるためのコースを終了し、現在小学校で英語を教えながら、妹の生活を支えています。エミリエンヌさんは虐殺でお父さんを亡くし、現在は小学校の先生となってお母さんと妹の生活を支えています。
彼女が教える教科は社会学習という、人間同士のコミュニケーションについて、そして紛争や
諍
(
いさか
)
いの和解について学習する教科です。彼女は、自分の経験を踏まえて教科を教えていますが、もっと深く学びたいと、大学への進学を目指しています。アジアさんはやはり虐殺でお父さんを亡くし、そのショックで精神を病んだお母さんと妹の生計を支えています。お母さんの看病による負担が重なり、アジアさん自身、トラウマと闘っています。高校を卒業後、今は会社のパートとして働いていますが、より良い給料を得るための転職を目指しています。
20歳のファビアンさんは現在高校1年生で、寮がある学校に在籍しています。彼は虐殺で両親を失い、以来5年間にわたって路上生活をおくりました。途中で生活を変えようと、白人の荷物持ちなど仕事をしようとしましたが、すぐに路上生活に引き戻され、そんなことを繰り返しているうちに運良く一人の女性を介してカリタスのプロジェクトにたどり着きました。彼は献金してくださった皆様に感謝の気持ちを伝えるために、次のように語りました「支援する方々に伝えてください。
ファビアンさん(左)
遠くにいる僕たちのことを考えていてくれて、本当にありがとうございました。たくさんの祈りをありがとうございます。今度は僕たちが他の苦しんでいる人達のために何かをする番です。」
今回の分かち合いを通して、彼らがトラウマや逆境を克服し、あるいは戦い続けながら、自立を目指して最大限の努力をしていることを学びました。そして、プロジェクトの効果が十分上っていることを確認することができました。社会全体の就職状況が非常に厳しい中、全員が高校を卒業して、自立できるだけの職に就くことができるかは未知数ですが、同じ境遇にある彼らが互いに協力し、力強く歩んでいってほしいと祈っています。
(事務局 稲江佐和子)
目次ページに戻る
|
ページトップへ戻る