We are Caritas No.21

We are Caritas No.21(2021年2月号)ができました。
ご希望のかた(無料)は、事務局までお知らせ下さい。

巻頭言

今年の四旬節ポスターの写真は、ケニア北部の広大な干ばつ地帯を1日往復6時間以上かけて水を汲みにいく女性の写真です。この女性の家族は、彼女が汲んできた水、野生のヤシの実だけで生きているとのことですが、この写真にはヤシの木が一本も見当たりません。地球も人も悲鳴をあげているこの状況を見過ごすことなく、私たち皆が回心のうちに、祈りと実践を以て、ともに力を合わせて歩んでいくことができますように。

*今月号は、2021年四旬節特集号です。今年の四旬節小冊子は、教皇メッセージのほかに、新しい試みとして、カリタスの活動(視察)写真を掲載したカレンダーを配しています。今号では、それらの内容を中面で紹介しています。

2021年四旬節に寄せて
この一年、わたしたちはいのちの危機と直面して生きてきました。いのちを守るための選択は、皆が集まったり支え合うことを難しくし、孤立や孤独の中に取り残されている人も少なくありません。また社会の自粛は経済に影響を与え、貧富の格差は拡大しています。教会は、この難しい時代のなかにあっても、いつでも神のいつくしみを具体的に示し、排除するのではなく互いに支え合い、連帯を促す存在でありたいと思います。闇に輝く希望の光になりたいと思います。昨年に続き感染症の困難に直面する中で四旬節を迎えています。御父のいつくしみを目に見える形で生きる四旬節にあって、教会の伝統は「祈りと節制と愛の業」という三点をもって、信仰を見つめ直すよう呼びかけています。教会に集まって共に祈ったり、支え合うことに困難を感じる今の時ですが、すべての人が神の愛によって結ばれていることを思い起こし、祈りのうちに連帯してまいりましょう。

カリタスジャパン責任司教 菊地 

 

私たちは、ウイルスという国境を越えて人々に影響を与える脅威にさらされています。しかしキリストの愛は、距離、時間、思い、すべての困難をのり越えて、力強く広がっていくのです。
教皇フランシスコは四旬節メッセージの中で私たちに呼びかけます。「愛をもって四旬節を過ごすことは、新型コロナウイルスのパンデミックゆえに苦しむ人、切り捨てられた人、不安の中にいる人を世話することです。」「わたしたちが愛のわざをもって、信頼に満ちたことばをかけ、子として神に愛されているとその人が感じられるようにすることができますように。」イエスは十字架上の死を覚悟し、また復活によるすべての人のための救いのためにエルサレムに上って行きます。私たちも、困難にあっても復活のいのちに信頼し、人々に希望を伝えていくことができますように。皆様のご協力をお願いいたします。

カリタスジャパン担当司教 成井 大介

 

中面 四旬節小冊子で紹介したカリタスの活動

 

パレスチナ自治区ガザ
ガザは東京23区の6割程度の小さな土地ですが、2006年以降陸・海・空とイスラエルによる軍事封鎖が続き、天井のない巨大な監獄といわれています。中には200万人がひしめき合い、逃げる場所がない中での度重なる空爆により、人々は疲弊しきっています。経済活動も極端に制限され、失業率は5割を超えるため、8割の人が海外からの支援なしに生きられません。インフラの破壊によって、上下水道、電気、病院、学校、あらゆるものが不足しているため、国連は「2020年にガザは住めなくなる」と発表しています。新型コロナ感染症対策では、カリタスエルサレムが、ガザで公衆衛生事業などを行っています。人々は口をそろえて「人間として生きる尊厳が欲しい」と訴えています。

国際カリタス総会
この写真は、第21回国際カリタス総会(2019年5月)時のものです。国際カリタス総会は4年に一度開催され、150か国以上から全世界のカリタスが集い、総裁や事務局長の選出、今後4年間の活動方針の枠組みなどを決定します。2019年から2023年の国際カリタスのテーマは「one human family, one common home(私たちは一つの家族、地球はみんなのいえ)」です。教皇の横に掲げられたパネルは、ロヒンギャキャンプで活動しているカリタスバングラデシュの同僚の顔を、思いを同じく働いている世界中のカリタスの職員の顔のコラージュで表現したものです。教皇フランシスコはスピーチ後、パネルに自身の写真を添えました。

キルギス
1991年にロシアから独立したキルギスは、日本の半分ほどの土地に620万人が暮らしています。住民の多くはイスラム教徒である一方、ドイツ系、ロシア系移民のカトリック信者約400人も暮らしています。カリタスジャパンは、設立されたばかりのカリタスキルギスに対し2017年から組織強化支援を行っています。多くの地域でカリタスの愛が育つようにという思いを込めて、若いカリタスの育成に協力するためです。現地では、若者を対象に、天文学コースやコーチングコースも実施しており、宗教を超えた集いによって、将来のキルギス社会を支える人材が育ちつつあります。

南スーダン
100年以上続いた南北スーダンの衝突の末、2011年に独立を果たした南スーダンでは、その後も大統領派と副大統領派の対立や北部地域(現スーダン)との衝突が絶えず、非常に不安定な状態にあります。2018年には、恒久的な停戦を含むハルツーム宣言がなされたものの、この先またいつ政変が起きるか分からない状況の中、多くの難民や国内避難民が発生しました。一方で、地域にとどまった人々も同様に医療や食料不足に恒常的に苦しんでいます。南部の町トリットの聖テレサ学校(写真の生徒の学校)では、カリタス南スーダンが、生徒のために、食糧と飲料水を配布しています。こうした支援は、貧しい生徒を取りこぼさないためにとても有効です。世界で一番新しい国、南スーダンが生まれ変わるのは、これからです。

バングラデシュ
世界最大の難民キャンプといわれるバングラデシュ・コックスバザールのロヒンギャ難民キャンプでは100万人が狭い地域にひしめき合い、竹とブルーシートで作った仮設住宅に暮らしています。もともと何もないところに作られた難民キャンプでは、トイレやクリニックなどが圧倒的に不足し、モンスーンの季節になれば土砂崩れが発生します。
カリタスバングラデシュは、国連などと協力して雨水をよけるための橋を架けたり、トイレを設置したり、クリニックや新型コロナ患者の隔離施設を作っています。ミャンマーでの迫害から逃れてきた人々と、その子どもたちの笑顔が絶えない世界を希求し、活動を続けています。

中央アフリカ
中央アフリカは1960年のフランスからの独立以降、政権が不安定でしたが、近年ようやく武装勢力間での和平合意が進んでいます。南西部ロバイエ県のボダの町の人々は丘の上に聖母マリアの御像を運び、町をあげて無原罪の聖マリアの祝日を祝います。ロバイエ県の人々に行われるカリタスからの食糧支援は、人々の生活を直接的に助けるだけでなく、地域の食糧市場を間接的に助けることにつながっています。カリタスの活動が、人々の希望の光となりますように。

スリランカ
30年近く続いた内戦が2009年にようやく終わり、スリランカでは急速な経済成長が続いています。しかし、その裏で行われる女性たちの出稼ぎは、人身取引の危険性と常に隣り合わせとなっています。中部マータレー県で行われた人身取引防止のためのワークショップに参加した女性は「(娘が出稼ぎ中のため)孫を預かっているが、啓発トレーニングを通じて学校へ通わせることの大切さを改めて感じ、責任もって学校へ通わせている」「たくさんの問題を聞いてきた。その経験をコミュニティへ伝え、貢献していきたい」と話してくれました。経済成長の裏で虐げられる女性が少しでも減少しますように。

 

 

四旬節「愛の献金」キャンペーン

2月17日、灰の水曜日から四旬節が始まりました。今年も「愛の献金」にご協力をお願い致します。資料は灰の水曜日までに各小教区などにお送りしています。追加など必要な場合はお問合せください。すべて無料でお送りしています。

四旬節小冊子(カレンダー部分)

四旬節小冊子・ポスター

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外国語趣意書(7カ国語)
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