新型コロナウイルス支援募金 支援先団体活動報告

国内における支援先団体の活動報告は以下の通りです。

カリタスジャパンでは、下記の団体を通じて支援を必要とする人々をサポートしています。

 

認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい ¥1,500,000

「ともに生きぬく」プロジェクト

新型コロナウイルス感染症の影響で、仕事を失ったり、収入が減少したり、住まいを失う人が多くうまれている中、緊急支援として「ともに生きぬく」プロジェクトをスタートしました。感染症対策を徹底したうえで週2回の生活支援相談会開催と、食料品等の物資提供、緊急的な宿泊先の提供などを行っています。相談会では、4月1カ月で160人の相談に対応しました。初めて相談に来た人が約半数を占めています。インターネットカフェが休業して住むところが無くなった人など、若い人の相談も増えています。食料品等の提供では、感染症拡大前は1回70人程度でしたが、現在は180人程に増えています。今後企業の倒産が増えると、生活に困窮する人がさらに増えることが予想され、長期に亘った支援が必要です。

食料支援の列に並ぶ人々

ホームレス総合相談ネットワーク ¥2,000,000

コロナ危機下におけるホームレス状態・生活困窮にある方々への法的相談支援事業

ホームレスなど生活に困窮する人への支援を行ってきましたが、新型コロナウイルス感染症によって支援のニーズが高まる中、電話相談、アウトリーチ路上相談会、ガイドブック(写真参照)配布などを実施しています。これまで電話相談は週3回でしたが、4月から毎日実施に切り替えました。毎日10人~15人の相談が、全国から寄せられています。仕事を失ったり、事業収入が途絶えたりして困窮し、路上生活している人、車上生活をしている人、居宅で生活困窮に陥った人などからの相談です。相談の内容は様々ですが、必要な支援にたどり着くよう、近隣の人には面談や生活保護の同行支援など、遠方の人には、電話対応のみで解決できない場合は、その地域の連携団体や法律家につなぐなど工夫をしています。アウトリーチ路上相談会では、月3回都内ターミナル駅周辺や炊き出しが行われる公園などに法律家と事務局員が赴き、情報提供用のちらしやガイドブックを配布し、 必要な個別相談対応を実施しています。

 

 

一般社団法人 震災復興子ども支援 ¥800,000

コロナ禍における子ども支援

これまで、東日本大震災以降、被災地支援のボランティア活動を続けてきましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、コロナ禍で世帯収入の減少と、学校給食の中止により、子どもの昼食費用が増えて家計が大変な保護者と、子どもたちを支えるために、お好み焼きの無料配布を開始しました。

『子ども達にお好み焼きを』を合言葉に、カリタスジャパンや、地域の方々からの支援で活動を行っています。特に、地元大芝小学校OBで女子大生になった姉妹や、ご近所の方、学区内の保護者のお母さんなど、交代で調理のお手伝いをいただいています。また、近所の商店や、災害ボランティアの仲間から食材寄付も届いています。

お好み焼きを受け取る子供たち

お好み焼きを作る大学生ボランティア

 

足立インターナショナル(AIA) ¥350,000

オンライン授業開催初期設備

AIAでは足立区に住む外国からの移住者とその子どもたちに、生徒とボランティアの先生の1対1の対面授業で、日本語支援と学習支援を行っています。
外出自粛宣言が出されてから、対面での学習が難しくなったため、オンラインでの学習の必要性を感じ、パソコンの購入とwifiの工事を進めてきました。
AIAに来ている生徒は家庭にパソコンやwifiの環境がないため、生徒たちはAIAに来て、ボランティアの先生方は自宅から指導しています。
小学低学年は引き続き対面で勉強していますが、小学高学年以上の生徒と大人はオンライン学習で「密接・密集・密閉」を避けることができ、安全に学習できています。

オンライン授業の様子

 

カリタス南相馬 ¥500,000

福島県浜通り地域および宮城県南部の生活困窮者、滞日外国人、技能実習生支援

詳細な報告書はこちらから

北原団地食糧配布

配布食糧仕分けの様子

 

国立ゆめファーム ¥2,000,000

生活困窮者・DV被害者支援

コロナ対策助成金で住居確保―相談は普段の5倍:コロナ禍で、DV・虐待被害女性たちがもう我慢できないと外に出始めた。「家を出たい」、「出たが住む所がない」、「居場所がないと」など問い合わせが連日ある。当団体では援助金を得てすぐにアパートを3室確保した。すると待ってましたとばかりに問い合わせが相次ぎ。2週間の間に3室埋まった。こんなことも珍しい。空き室ありますと公表したわけでもないのに。写真は新入居者さんに差し上げるウェルカムグッズと新しい部屋に下げたスタッフ手作りのカーテンだ。「さあ、あなたの新しい1日が始まります。一緒に元気になろうね!」とのスタッフ一同からの入居者さんへのメッセージです。

メッセージ付き入居グッズ

職員さんお手製カーテン

 

福音炊き出しの会(カトリック名古屋教区) ¥2,000,000

野宿生活を余儀なくされた人への緊急自立支援

新型コロナウイルス対策で国民に一人10万円を配る特別定額給付金について、私たちがT河川敷に野宿生活を余儀なくされた方たちへの訪問活動で、給付を希望するか尋ねたところ、3名の方が望まれました。7月~8月にかけて、給付に必要な書類の取り寄せや手続きの手伝いをしました。住民票の不明な方には戸籍のある市町村に問い合わせ、再発行されました。また、現住所設定には当炊き出しの会の住所が認められました。その過程で、それまで自分を証明するものがなかった方は、それが得られ、同時に年金支給の申請も出来て大層喜ばれました。この間、多くのボランティアの協力があってこそ支給されたこと、真に感謝。

河原に食糧配布に行く職員

シナピス(カトリック大阪教区) ¥2,000,000

難民移住者への生活・医療・自助活動

カトリック大阪大司教区社会活動センターシナピスでは、緊急事態宣言発令中の5月より、京都の「社会福祉法人ミッションからしだね(以下からしだね)」の紹介で、難民・移住者たちが使い捨ての医療用防護ガウンを作っています。このプロジェクトは、新型コロナ感染症の流行によって生活が困窮した人を対象に「からしだね」が始めたもので、作った枚数に応じて「からしだね」から寄付をいただき、特別定額給付金等の公的支援を受けられない仮放免中の難民・移住者の生活費に充ててきました。今まで17人の難民・移住者が参加し、2000枚以上のガウンを福井県の日赤病院を初め多くの医療機関や介護施設に送っています。寄贈先からはとても喜ばれ、普段社会参加の機会がなかなかない難民・移住者たちがやりがいをもってガウン作りに励んでいるため、「からしだね」からの寄付が終わっても活動を続けたいと思っていたところ、貴カリタスジャパンから支援を受けられることとなりました。いただいた支援金は、難民・移住者がガウン作りに集まる際の交通費や、ガウンの材料となる家庭用ごみ袋や養生テープ等の購入費に使わせていただいています。温かいご支援に心より感謝申し上げます。

医療ガウンの届け先のスタッフと一緒に(左)/作業の様子(右)

社団法人 慈生会 ¥300,000

ナザレットの家(乳児院)入り口の手洗い設置

おかげ様で、職員通用口に手洗い場を設置できました。東京では、まだまだ新規陽性者が増える中、職員は、出勤時、最初に手指消毒ができ、気持ちよく、安心して仕事に就けます。

設置された手洗い場

一般社団法人 あじいる ¥1,400,000

お米で緊急支援プロジェクト

新型コロナウイルス感染症の影響により、「収入が減ってしまい生活が苦しい」「子どもの食費が増えて生活が大変」「頼れる人がいなくて孤独」等、多くの方たちから苦しい声が届きました。普段、登録団体へお米を送るフードバンク事業を行っていますが、今回に限り個人への支援を行うことにしました。100世帯限定でお米5キロを届けるプロジェクト「お米で緊急支援プロジェクト」です。
特にシングルマザーの方からの申し込みが多く、その他にも外国籍の方や学生、年金生活の方からも申し込みをいただき全国に送付しました。
5月に第一弾、第二弾を行い、7月に第三弾、9月に第四弾を計画しています。カリタスジャパンからの支援により、継続的にお米を届けることができています。

配達待ちのお米が入った箱

お米の箱詰め

NPO法人 レジリエンス ¥1,779,832

DV被害者のためのトラウマケア

新型コロナ感染拡大により、DVは深刻化し、トラウマは悪化する傾向にあります。いただいた助成金で、トラウマケアのための「こころのcare講座」とピアサポートグループを再開することができました。感染拡大が収まらない状況が続くなか、対面講座に加えオンライン講座も開始し、多くの方に情報を届けることができています。参加・視聴してくださった方からは、「また講座とピアサポートグループに参加でき嬉しい」「オンラインが開始となったので、自宅で何度も観ている」「コロナが広がってからうつがひどくなり、体調もすぐれない。講座をみて誰にでも起きることだと分かって安心できた」などの声が寄せられています。今、多くの人が、先が見えない不安や孤独を感じています。新型コロナ感染拡大は、誰にでもトラウマをもたらすのです。今後は被害当事者のみならず、多くの方にこころのcareの情報を広めていきたいと思っています。

講演会の準備

心のケア講座案内

 

一般社団法人 つくろい東京ファンド ¥660,000

ペットと共に入居できる個室シェルター事業

一般社団法人つくろい東京ファンドでは、今年3月よりコロナ禍の経済的影響で住まいを失った生活困窮者への緊急支援活動に取り組んできました。8月末までに都内のアパートの部屋31室を新たに借り上げて、個室シェルターとして活用しています。

今回の経済危機が過去の不況と異なるのは、自営業やフリーランスで働いていた人を中心に中間層にまで貧困が急拡大していることです。その中には、ペットと共に路頭に迷う人も出てきたことから、支援現場ではペットと一緒に泊まれる個室シェルターを整備する必要が出てきました。そこで、当団体では都内のペット可物件を2室借り上げ、「ボブハウス」と名付けて、シェルターとしての運営を始めました。

8月中旬には猫を連れた女性が「ボブハウス」に入居することができました。長年、犬や猫を家族の一員として一緒に暮らしてきた人が、貧困ゆえに「家族」を失うことは心理的なダメージにもつながり、生活再建をさらに困難にします。私たちは、「ボブハウス」の入居者が愛する「家族」とともに生活を再建するのを支えていきたいと考えています。

今回の助成金は、物件の借り上げの初期費用や生活に必要な家電・布団の購入費に充てさせていただきました。あたたかいご支援をありがとうございました。

借り上げた一室

入居者の方のネコ

NPO法人 フードバンクTAMA ¥1,800,000

新型コロナウィルス影響下における生活困窮家庭対策としての食料品提供事業

今般の新型コロナウィルス禍は、社会、経済生活に前例のない深刻な打撃を与えています。当団体の活動範囲である東京西部地域である日野市、八王子市、立川市、多摩市、昭島市、等においても、失業、減収に見舞われる市民が4月以降著しく増加しております。

本フードバンクはこうした状況に対し、域内の児童福祉施設や子ども食堂への食品配布活動、及び、生活困窮家庭へのフードパントリー事業を展開しておりますが、予想以上に食品を希望する市民が多く、4月には総重量で7トン、5月には9トン余りを提供しました。夏に入り落ち着くかに見えましたが、感染者は更に増えているため、残念ながら、生活困窮家庭も増える傾向は否めません。当フードバンクとしては、従来の活動以上の力を注ぎ、可能な限りの食支援活動展開してまいります。

プロボノで集まった方々

 

一般社団法人 神戸ダルクビレッジ ¥1,650,000

依存症者の緊急避難場所の確保と相談支援の提供及び回復支援の居場所及び住居確保事業

私たちは、薬物・アルコール・ギャンブルなどの様々な依存症に対してのリハビリ施設になります。団体としては、市地域への啓発活動から、刑務所などへの教育支援、相談支援、家族教室など「依存症問題に苦しむ方々」への支援を行っています。新型コロナウィルスの影響によって、この状況及び定額給付金の配布によっての薬物などの再発者が激増しました。公的相談機関が全て閉鎖される中、当団体への相談や治療希望が通常の5倍ほどになりました。私たち職員の感染防止と利用者さんの感染防止及び、回復プログラムの継続によって、居場所のスペースもなくなり、カリタスから援助を受けるまでは自己資金にて運営費を捻出していました。激増した依存症者の回復の場所を確保するとともに、緊急の病院の受け入れも難しいことから住居の確保が緊急に必要となりました。依存症者本人とその家族の相談のための人員も増やし、このコロナウィルスの状況を乗り切っています。すべての機関が止まっても、依存症の問題は止まりません。逆に増えるばかりです。私たちしか依存症で苦しむ方々の命を救えないという糧を胸に、活動しております。

共に食事をとる入居者の方々

カトリック聖イグナチオ教会 ¥650,970

あしたのいえプロジェクト

聖イグナチオ教会「あしたのいえプロジェクト」では、生活に困窮されている方を対象に安心して生活を行うことのできる居所(シェルター)提供を行っています。5月下旬より本格的に活動を開始しました。

入居は数々の生活困窮者支援団体のうち、あしたのいえに利用登録されている団体を経由して行われます。利用者の「安全を守る」「尊厳を守る」「意思表明を守る」「将来に関する希望の実現を守る」ことを運営方針としています。

まだ活動がはじまったばかりですが、コロナ禍によって様々な不利な状況に陥った人が入居することもあります。今後も、利用者、利用登録団体の声を受けて改善をはかりながら、よりよいシェルターを目指して活動を続けていきます。

借り上げた部屋と購入したベッド

 

聖マリアンナ医科大学 ¥2,000,000

院内におけるコロナ感染症拡大防止

新型コロナウイルス感染症の予防策としては、ウイルスを持ち込まない、拡げないことに留意し、感染経路を絶つことが重要とされています。当院では新型コロナウイルス感染対策として、当院職員の感染予防策を徹底することはもちろんのこと、当院来院者への予防策として病院玄関にサーモセンサーを用いた体温検知システムを3台設置いたしました。体温検知システムの導入にあわせて新たに職員2名を配置し、来院される全ての方に対してマスク着用と検温へのご協力をお願いしており、発熱の症状がある方は看護師がトリアージを行い専用の診察室へご案内することにより、通常受診の方と接触しないよう対応を行っております。当院では1日あたり2,000名程度の方が外来を受診されており、入退院の方や取引業者を含めるとさらに多くの方が病院に出入りをしております。入口での検温作業の実施により院内感染を防止するとともに、院内各セクションで行っていた検温作業の負担軽減を図り、通常受診の方や病院職員が安心して診療を行える環境を整備することができました。

設置されたサーモセンサーを用いた体温検知システム

入口に3台設置されました

 

牛久友の会 ¥1,000,000

入管被収容者、生活困窮外国人の支援

詳しい報告書はこちらから

 

社会福祉法人日本国際社会事業団 ¥1,000,000

困窮する外国人と孤立する母子への食糧・医療支援

コロナ禍とその後長期化している経済的影響を受け、困窮し孤立する外国人、とりわけ母子への重点的な支援を実施しています。6月以降、母子家庭への食糧支援、孤立する妊婦への医療費支援を行なってきました。
外国籍女性の妊娠・出産をめぐる相談は断続的に寄せられていますが、その多くは「病院へ行くお金がない」「コロナ禍で仕事を失った今、産んでも育てられるかわからない」という一本の電話から始まります。必要に応じて面談を行い、彼女たちの置かれた状況を紐解いた上で、食糧・医療費等の支援を開始します。物質的な支援に留まるのではなく、ソーシャルワーカーが彼女たちの想いに寄り添い、これ以上孤立してしまうことのないよう、関係者とも連携を取りながら支援を提供しています。
食糧支援としてお米とお野菜を届けた家族からは下記のようなメッセージと写真が寄せられました。

支援対象者の方が作ったモロヘイヤのごはんとグレービー

支援対象者の方が作った空心菜の炒め物