報告会内容
NGOアミーゴスはスタッフ131名、ボランティア710名で、無料健康相談会をもとに活動している。2019年の支援目標は40件のところ、44件達成した。非正規滞在者(仮放免者、難民申請者、オーバーステイ)の特徴は、は、①在留資格がない(働けない、保険がない、お金がない)、②言語に困窮(読めない、書けない→公的な申請ができない、訴えることができない)、③支援が受けられない(体制をつくることが困難、社会的資源と関われない)、④社会の関心度が低いという状態。個別の医療と生活相談が主である。相談はチーム制(医師、弁護士、通訳、ソーシャルワーカー、フードバンクなど)で実施し、地域連携を行い、様々なNPOとつながり活動を行っている。
カトリック大阪大司教区社会活動センター
カトリック大阪大司教区の社会活動を行う部門であり、大阪教区カテドラルの横にある教区本部事務所の一階で活動を行っている。「シナピス」は、ラテン語で「からし種」を意味し、小さな活動でも大きな実を結ぶという願いを込めている。コロナ禍で、大阪も緊急事態宣言がなされ、4月10日から5月7日まで休館となる。来館者にここに現金、お米などの配布を実施。孤独で押しつぶされていくという在り様や、受け取りを躊躇する人々に、人間の尊厳がつぶされている姿があらわされた。その姿に、社会に貢献してもらうことを考えた。開館直後、医療用防護ガウンが不足していることから、使わなくなった修道院を借りて、ガウンを作成し、その手間賃を支払う。修道院は、1階を地域に開放。高齢者が多い地域だったため「年寄食堂」を開設。地域と難民移住者異動者との交流の場となっていった。カリタスの大口の支援でアイディアが生まれ、困難を抱えている人と人をつなぐ活動ができた。11月からは、地域の教会にもよびかけ、面白いことをやっていこうと思っている。その人たちの衣食住を丸がかえしなくてはならないと思うと、他をあたってくださいと言いたくなる。人間の尊厳を保ちながら生きていくことを試行錯誤しながら、これからも活動にあたっていく。
【質疑応答】
仮放免者が多く、減らないが
270万人いる。制度の問題。外国人を受け入れるという入り口の話ばかりする。「労働力」として受け入れることが前提での制度。世界が保護するという方向に向かっているが、日本はその土壌にない。「難民」という言葉からも「難=お荷物」と感じられ、最初の段階からして受け止め方が違う。
自分の問題としてとらえ、具体的に外国籍の人々との共生を進めていくには?
まず「関わる」こと。同じご飯を食べて話を聴く。ともに生き、ともに泣くこと=よくかかわる。役所が行うことだから信徒を巻き込むなという声もある。しかし教皇が言っているように「貧しいひととどうかかわるか」というのが生涯の課題ではないか。一歩ふみこむ勇気をもつ。25年以上シナピスの活動を行うなかでおもっていることは「シナピスに振ってもらっていい」ということ。シナピスがあってよかったと思ってもらえること自体に意味がある。
難民制度のひどさ、命の重みなどを考えるとどうしたら日本の状態を変革できるのか
世論の換気が必要。仮放免者がどのように大変なのかをわかってもらうことが大事。新聞の投書欄などで声を出さないとわかってもらえない。
日弁連の方などがロビー活動を行い、国際人権活動として行っている。そのような弁護士の方々がつぶれないように支えていくことも大切。