キャンペーンへの招き

わたしたちの人生は、すべて旅路にあります。それは、時の流れを人生の終わりに向かって歩み続ける旅であり、また具体的に他の場所へと移動をする旅でもあります。時にその旅路は喜びや希望のうちにあり、また悲しみや不安の中で続けられる旅もあります。そのどこにあっても、どのような状況でも、神の似姿である人間のいのちの尊厳は、常に守られなくてはなりません。

現代社会にあっては様々な理由から、生まれ故郷を離れ、見知らぬ地へと移り住む人が少なくありません。また地域の紛争によっていのちが脅かされ、安全のために移り住むことを余儀なくされる人たちも大勢おられます。

神における一つの体として生きるわたしたちは、困難に直面する兄弟姉妹を見捨てることはできません。その一方で、異なるものを排除することで安心を得ようとする社会の傾向は強まっており、人間のいのちの尊厳が危機にさらされる事態も相次いでいます。
「誰一人として排除されたり、存在を無視されたりしてもよい人はいない」と強調する教皇フランシスコの呼びかけに応え、カリタスジャパンと日本カトリック難民移住移動者委員会は手を携え、国際カリタスに協力しながら、国内において「排除ZEROキャンペーン~国籍をこえて人びとが出会うために~」を始めます。同じ旅するものとして、困難に直面する兄弟姉妹と出会い、学び、行動することができますように、多くの方の参加を期待します。

菊地 功司教(カリタスジャパン責任司教)
松浦悟郎司教(日本カトリック難民移住移動者委員会委員長)