ウクライナ危機人道支援活動(ウクライナ)

【2022年7月29日更新】
2月24日にウクライナで戦争が勃発してから約5か月間、国際カリタスのメンバー組織は、ウクライナ内およびポーランド、ハンガリー、スロバキア、ルーマニア、チェコ、モルドバなどの近隣諸国で人道支援と170万人以上の国内避難民と難民への支援してきました。ウクライナ国内では紛争と暴力が続く中、カリタスは戦争の犠牲者の長期的なニーズに対応することを目的とした人道的対応の次のステップに向かって進んでいます。周辺国カリタスの支援活動についてはこちらのページをご覧ください。

◆カリタス ウクライナ(7月19日現在)
総支援件数 1,719,397件
食料(非常食キット、温かい食料) 913,338人
住居・シェルター 53,247人
現金援助  27,938人
衛生キット 358.951人
医薬品 31,038人
保護サービス 89,953人
WASH(水と衛生関連支援)101,353人

カリタスウクライナは戦争の犠牲者への人道的対応の次のステップとして、事業運営、脆弱な立場にある男性、子どもと女性、高齢者に対する心理社会的支援に歩みをすすめてまいります。

◆カリタス スぺス(7月19日現在)
総支援者数 1,767,697人
住居・シェルター 183,520人
食料・生活物資 1,251,823人
保護、育児サービス 約60,000人
WASH(水と衛生関連支援) 429,149人
医薬品支援 約60,000人

カリタススぺスは人道支援の次のステップとして、ネットワーク作業の調整、カリタススぺスセンターにおける家庭的孤児院、高齢者の家、シングルマザー支援、寝たきり患者支援と今後の支援計画の準備を重点分野として特定しました。

(カリタススぺスのツイッターより)
カリタススぺス・オデーサ職員のオクサナ・ウクライインスカは勤務して7年になりますが、本格的な侵略が始まる前は「希望の家」という陶芸工房で教室を開いていたため、彼女の生活は子どもや大人との創作活動で満たされていました。戦争が始まったとき、彼女の家族はオデーサに残り、仕事を続けることにしました。オクサナは現在、オデーサとその地域のミッションからの人道的援助のロジスティクスを全面的に担っています。

「私の人生は今とは違っていました。私の周りには、土曜日の午前10時に来て、粘土を彫ることが趣味というクリエイティブな人たちがいました。4ヶ月間、粘土細工をしていません。時間とエネルギーが取れないんです。ニュースばかり見ていて、とても心配です。

優しい性格では仕事になりませんが、強くはなりたくないのです。例えば、1日に200の食糧キットを配ることができると発表がありました。201人目の人に 「すみません、次の日に来てください 」と言う強さを見つけなければならないからです。

私たちは皆を助けたいのですが、残念ながら私たちのリソースは限られています。私たちは最善を尽くし、さらにそれ以上のことをする。同じような境遇の医師について考えることがあります。彼らはよく、無愛想だと非難されます。でも、そんなことはあり得ないと思うんです。皆に同情したり、皆のために泣いたりすることはできない状況だからです。」
Oksana (カリタススペス オデーサ職員)


▲現在、カリタススぺス・オデーサでは「希望の家」プロジェクトを再開し、毎週火曜日に子どもたちとの授業を行っています。©Caritas Spes

▲カリタススぺス・ヴィニツィア の活動の最良の成果は、子どもたちの幸せそうな目です。チームは45人の子どもたちのためにクロアチアへの旅行を企画し、夏休みの10日間をそこで交流し、新しい環境を知り、戦争の厳しい現実から一息つくことができるようにしました。©caritas Spes

【2022年5月31日更新】
2月24日以降、国際カリタスは、ウクライナ国内で続く紛争と不安の結果、生活に打撃を受けた弱い人々やコミュニティの支援のためにたゆまぬ努力を続けています。

◆カリタス ウクライナ(5月22日現在)
総支援者数 1,091,948人
食料(非常食キット、温かい食料) 576,432人
現金援助 5,695人
応急処置キット・医薬品 31,453人
寝具 75,515人
避難所利用者(4月11日以降) 20,542人
心理相談利用者 3,893人

◆カリタス スぺス
住居・シェルター 125,473人
食料・生活物資 621,743人
人道支援物資・ロジスティックス 500,127人
保護的支援 43,848人
水と衛生 321,583人
医薬品支援 38,526人

(カリタス スぺスのツイッターより)
統計データの数字は、私たちがなんとかして助けようとしてきた人々の数です。私たちは100万件以上の人道的支援を提供しましたがそれは目に見える部分に過ぎません。もっとも大事なことは、3か月間の戦争の中で、お互いに励まし合い、希望を取り戻してきたことです。

 

 

 

 

 

▲写真:カリタス コロミアから届いた人道支援パックが、ドネツク州クラスノホリフカに人道支援パックが届けられました。©Caritas Spes

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲写真左上:カリタス・スぺス#オデッサでは2.5トンのジャガイモを受け取り、ボランティアが困窮者のために食事を準備する施設に運びました。©Caritas Spes
写真右上:砲撃を受けているハリコフ市内でも、カリタス スぺスのチームが人道支援活動を続けています。©Caritas Spes
写真下:カリタス スぺスのボランティアから支援物資を受け取った子どもたち ©Caritas Spes

 

 

 

 

 

▲写真:長期間占領が続いたハルキウ地方の小さな村の人々に、食料キットを届けるカリタス ウクライナのボランティア。©Caritas Ukraine

 

 

 

 

 

▲写真:カリタス ウクライナは国内避難民、占領地の住民などに対し、専門家による心理的サポートを無料で提供しています。©Caritas Ukraine

【2022年3月31日】
2022年2月24日のロシアによるウクライナへの軍事進攻開始以降、ウクライナ国内のカリタス組織は避難所の開設や移動希望者の送迎、食糧の支援、離れ離れになった家族の再統合、社会心理的ケアなどにいち早く着手し、戦禍にある人々の命と尊厳を守るための活動を継続しています。また、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、ルーマニア、モルドバなど近隣諸国のカリタス組織はすべて、ウクライナから逃れてきた何百万もの避難民たちを最前線で支援し続けています。以下、ウクライナ国内での支援活動について紹介いたします。周辺国カリタスの支援活動についてはこちらのページをご覧ください。

 

 

 

 

 

写真 国際カリタスによる避難民の受け入れ状況(出典:国際カリタスウェブサイト)

 

国内に残ることを余儀なくされた人々とともに

ウクライナ国内では、カリタス スペス1とカリタス ウクライナ2というの2つカリタスネットワーク*を中心に、特に高齢者、病者、子ども、若者に焦点を当てた医療支援を提供しています。また、フィールドキッチン、緊急避難所を運営し、軍事侵攻で傷ついた人々に心理的サポートを提供しています。

ロシアの国境に近い、マリウポリ、ドニプロ、オデーサなどの地域カリタスでは、国内に残っている人々のための食糧支援、居場所の確保、安全な移動手段の確保などに努めています。またポーランドに近いリヴィウでは、移動を余儀なくされた人々が休める場所として、カリタスの施設を開放し、食糧支援、衛生用品の配布などを行いながら、心のケアを行っています。

ドニプロ、オデーサでは

ドニプロで活動しているカリタス ドネツク、また港町のオデーサで活動しているカリタス オデーサでは、多くのボランティアの人たちが残ることを余儀なくされた人たちのために支援活動を行っています。

 

 

 

 

写真左 避難民のためにウクライナ料理ヴァリェーニキ(水餃子)を作るカリタス ドネツクのボランティアの人たち(ドニプロ)©Caritas  Europa
写真中 鉄道構内で食糧支援を行うカリタス オデッサのボランティアの人たち(オデッサ)©Cariats Ukraine
写真右 避難所での食糧支援(カリタス モルドバとの協働)(オデッサ)©Caritas Ukraine

リヴィウでは

リヴィウでは、多くの住民が、避難してくる人たちのために自分の家を開放しています。カリタスでは、カリタスの幼稚園を食糧庫や避難所として開放し、公立小学校なども避難所として開放し、ボランティアスタッフがケアに当たっています。

 

 

 


写真左
 小学校を開放した避難所:逃れてきた多くの人たちは心の傷を抱えており休息が必要です。しかし、数日休んだ後は、皆で玄関での出迎えや受付、掃除や片付け、高齢者や子どものケアなどを行っています。どの避難所でも、皆、受け身ではありません。©Fabian Berg

写真右 リヴィウに辿りついた女性を抱きしめるスタッフ:リヴィウに残ると決めたカリタスのスタッフは、リヴィウの街はもう限界に来ていると言います。なぜなら、家に少しでもスペースがある住民たちは、自宅に避難してくる人たちを積極的に受け入れており、それが飽和状態に陥っているからです。しかし、彼女は言います。「(限界であっても)私たちには希望があります。なぜなら、世界中の人々、とくに海外のカリタスからの支援があるからです」と。©Fabian Berg

 

 

 

 

写真左 オンラインミーティングの様子:リヴィウにいるスタッフは毎朝、フライブルグ緊急支援チームとオンラインミーティングを行い、日々の対応を確認、対応しています。スタッフ(画面に映っている女性)は「私はすでに私のアパートで2番目の難民家族を受け入れています。ここリヴィウに到着した人々はトラウマを抱えています。路面電車が外を通過するたびに、彼らはおびえています。なぜなら、レールの上でガタガタと立てる音は、町での銃撃を思い出させるからです」と話し、トラウマケアなどの支援についてシェアします。(ドイツZDFで放映された時の画面 ©ZDF)

写真右 避難所のプレイルームの様子:避難所にいる子どもたちが気持ちよく過ごせるような空間をつくることは重要なことです。カリタスの運営するIDPs(国内避難)センターにはプレイルームがあり、子どもたちはマスタークラスに参加し、スポーツを行い、英語を話すクラブにも参加しています。©Caritas Spes

軍事侵攻前からのカリタスの支援活動

ウクライナにおけるカリタスがロシアによる軍事侵攻後の支援活動に、いち早く対応できた背景には、軍事侵攻前からの継続した支援活動があります。

2014年以来、ウクライナでのカリタスは、ドネツクとルハンシクの分離地域に近いいわゆる緩衝地帯で困窮している人々を中心に、ウクライナでの支援活動を継続してきました。ウクライナ東部では、2014年にはじまった紛争によってこれまでに1万4千人以上の命が奪われ、130万人が家を追われました。カリタスは高齢者や子どもなどの最も弱い立場におかれた人々を中心に、約82万の人々を支援してきました(以下の動画参照)。

そしてロシアの軍事侵攻直前には、4300万人の人口を抱える人々のストレスの高まりによる暴力がエスカレートした場合の影響、病院や学校の破壊、水、暖房、通信システムなどのインフラの停止、さらには何百万人もの難民の流入などを含めて、あらゆる事態を想定した準備をすすめてきました。それらのような備えから、いち早く現在の支援活動につなげることができたのです。

カリタス ウクライナ―危機の中の希望の光  https://www.youtube.com/watch?v=jaU2Ur5ir08

 

 

 

 

 

写真 オデッサでのストリートチルドレンの支援 ©Boris Bukhman

その他活動報告

以下、国際カリタス、カリタス ヨーロッパ、カリタス ドイツのウェブサイトからも活動内容をご覧いただけます。

国際カリタス  https://www.caritas.org/where-caritas-work/europe/ukraine/

Caritas Europa https://www.caritas.eu/war-in-ukraine/

Carktas Deutcheland  https://www.caritas-international.de/hilfeweltweit/europa/ukraine/

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1 カリタス スペス:1996年からウクライナで活動しており、子供、家族、高齢者、貧困層のニーズを満たすために、全国で30を超えるセンターを運営している。
2 カリタス ウクライナ:20年以上にわたり、物質的、社会的、心理的、法的支援を提供している。支援における4つの主要な分野は:(1)子ども、若者、家族への支援(2)ヘルスケア(3)移住の社会問題(4)危機的状況における支援

* 1と2に属している地域カリタス:カリタス キーフ(キエフ)、カリタス リヴィウ、カリタス ドロホヴィチ、カリタス ストルイ、カリタス ジョウクヴァ、カリタス ノーピリ、カリタス チョルトキウ(ブチャチ)、カリタス イバノフランコフスク、カリタス コロミア、カリタス ナドヴィールナ、カリタス チェルノフツィ、カリタス ヴォリン(ノヴォヴォルインスク)、カリタス ジトーミル、カリタス フメルニツキー、カリタス オデッサ、カリタス ポルタヴァ、カリタス ザポリージャ、カリタスドネツク(今回の支援はドニプロ地域のみ)、カリタス カーミヤンシケ、カリタス クラマトルスク(以上20の地域カリタスは、国内避難民(IDP)と脆弱な人々を支援するために活動を行っている)。