We are Caritas は年3回(2月、6月、12月)発行しています。
ご希望のかたは事務局までお知らせください。(無料)
あの嬰児(みどりご)を私たちの真ん中に
待降節になると、教会やミッションスクールでは、イエス様の誕生の聖劇の準備を始めます。劇の役を決めたり、セリフを覚えたり、衣装やシナリオを作ったり、子どもたちは大忙し。大人たちもワクワクする、よろこびの時期です。
しかし、もともとイエス様の誕生は決して楽しく準備されたものではありません。ルカ福音書を開いてみますと、誰も受け入れてくれない町に辿り着いた寄留者の若い夫婦が登場します。汚くて寒い場所に自分の大事な子どもが孤独に生まれようとしている。更にマタイ福音書に記されているように、この幼子は権力者に殺害されるので、外国に避難しなければならない。悲しくて危険の連続でした。
まさに今、難民の母親に抱かれた幼子が写っているような場面も思い出します。人間に対する不信と恐怖でいっぱいの親子の現実です。本来子どもたちは、信頼と希望に満ちた環境に恵まれて成長し、思いっきり笑い、遊ぶはずなのに、現代に生きる私たち大人は、奪い合い、殺し合う、争いの社会を造ってしまいました。その中で子どもたちは希望を失い、そして不信の目で私たちをじっと見つめているのではないでしょうか。
今年から来年にかけて、カリタスジャパンは世界のカリタスとともに「排除ZEROキャンペーン」を実施しています。私たち大人は初心に返って、今年こそクリスマスに心からの祈り、献金と行動を呼びかけられています。この呼びかけに応え、あらゆる場面や機会において子どもたちを真ん中におく社会に変えていけるように、幼いイエスとともに心と力を合わせて努力いたしましょう。
イグナシオ・マルティネス神父(カトリック中央協議会 社会福音化推進部長)
排除(はいじょ)ZEROキャンペーン 始まりました!
9月27日、教皇フランシスコの一般謁見演説によって、国際カリタスのキャンペーンが正式に始まりました。
「希望」に関する講話の中で教皇は「希望は、家や故郷を離れた人々と、受け入れる側の人々の心の原動力、人生という旅路をともにするための力である」と言い、「恐れずに、旅をともにしてください」と呼びかけました。
そして「キリストご自身が両腕を大きく開いて、移住者と難民の兄弟姉妹を歓迎するようわたしたちを招いておられる」「このように両腕を大きく広げて歓迎するのです。両腕を広げれば、わたしたちは誠実さと愛情にあふれる心で相手を包み込むことができます」と自身の両腕を大きく広げて話されました。
日本では、司教団とカトリック中央協議会(カリタスジャパンと日本カトリック難民移住移動者委員会が所属)の職員が「キャンペーンの祈り」をともに捧げました。
参加方法
①リーチアウトフォト めざせ2000万人~2千万人が手をつなぐと、 地球一周に!
「リーチアウト(reach out)」とは、「手を差し出す」という意味。あなたの、移住者への理解と支援の気持ちを、リーチアウトフォトで表してください!
両手を広げて「ようこそ!」のポーズを取るだけ。それを写真に撮って、カリタスジャパンまで送ってください。一人でも、グループ写真でもOK。カリタスジャパンから国際カリタスのキャペーンサイトに投稿します。
②各地での取り組み
あなたの教会や学校で、このような取り組みをしていませんか?
国際ミサ/インターナショナルデー/食事会/多国籍ボランティアグループ
それはすでにキャンペーンに参加しています!
教会や学校などで、日本人と外国籍の人たちが「一緒に」行っている「国籍を越えた」取り組みを教えてください。専用のフォームに記入し、カリタスジャパンまで。(郵送、FAX、Eメール、ウェブサイトでの報告が可能です)
キャンペーンテキスト『国籍を越えた神の国をめざして 改訂版』にはこう書いてある ! 日本の教会の課題・教会独自の課題(11~12ページ参照) ◎国籍にかかわりなく小教区の一員であるので、互いのコミュニケーションを図っていく。 ◎外国語ミサ実施への配慮が必要である。その際、小教区共同体と分離しないようにする。 ◎誰もが、特に外国籍信徒も教会の会議や行事に主体的に参加できるよう配慮する。
●国際ミサとパーティー(市川教会/千葉)
市川教会では、定期的に外国語ミサ(英語とスペイン語、それぞれ月1回)が行われていますが、毎年ご復活祭と10月には、国籍にかかわらず全ての信徒が一緒に多言語で「国際ミサ」をお祝いします。 今年の10月22日にはミサ後、各国の料理を食べながら参加者が歌や踊りを披露するパーティーがありました。
●一緒に学ぶ教会学校(貝塚教会/神奈川)
貝塚教会の教会学校には、フィリピン、ヴェトナム、ラテンアメリカ、韓国、中国のバックグラウンドを持つ子どもたちが集い、両親とも日本人の子どもの方が数えるほどです。昨年の遠足ではみんなで上野動物園に行きました。いろんな人と「お友だち」になった経験が、子どもたちの中でかけがえのないものになるでしょう。
●東日本大震災をきっかけに…(大船渡教会/岩手)
日本人男性と結婚したフィリピン出身の女性たちが、東日本大震災をきっかけに教会に来るようになりました。そして日本人信徒と次第に仲良くなっていきました。教会委員会にも出席し、一緒に教会運営をしています。クリスマスや復活祭のミサの後のパーティーは、彼女たちのおかげで大盛り上がりです。子どもたちも大勢いて、ミサでは日本語で聖書朗読を行います。
●コザ教会のモーニング(コザ教会/沖縄)
コザ教会のミサは、日本語と英語で進められます。何といっても楽しみは、毎週ミサ後に、皆でフィリピン料理の朝食をともにすることです!どれも美味ですが、とくにルーガウ(お粥)とパンシット(焼きそば)が人気です。
③アクションデー
2018年の一年間を「アクションイヤー」と位置付け、各地で様々なイベント(アクションデー)を開催します。
日本カトリック難民移住移動者委員会(J-CaRM)との合同企画! 3教会管区(東京/大阪/長崎)で「アクションデー」を行います。 日時や場所など詳細は未定です。決まり次第お知らせしますので、奮ってご参加ください!
④キャンペーングッズ
お祈りカード、Tシャツ、ロールシートボールペンなどのグッズを作成します。バザーなどで販売し、キャンペーンにご協力いただけませんか?
バナーなどの貸し出しも致します。 「リーチアウトフォト」撮影や、バザー、学園祭の展示などに、是非ご利用ください。
⑤キャンペーン募金
キャンペーン期間中、カリタスジャパンでは「国内外の移住者・難民のため」の募金を受け付けます。いただいた募金は、海外のカリタスおよび国内の諸団体が実施する、移住者・難民のための支援活動、啓発活動に充てさせていただきます。
- 郵便振替番号:00170-5-95979
- 加入者名:宗教法人カトリック中央協議会カリタスジャパン
- 通信欄に「キャンペーン募金」とお書きください
現場からの声
「排除ZERO」宣言は、「私は排除される人のがわに立つ」と宣言すること
日本に生まれ育つ子ども、日本人と結婚した人、日本国籍の子どもを持つ親。かつてはこのような事情のある人には退去強制令書が出された後でも在留許可が出る可能性がありましたが、ここ数年は皆無に等しくなりました。移住者たちが「私たちを国外に追放しないでください」と日本政府にお願いするのを、私たち支援者は後ろから見守るしかないのが現状です。
2017年の夏、日本で生まれ育つペルー人の高校生と中学生のきょうだいが入国管理局に呼び出され「夏休みの間にあなたたちを収容し、強制送還する」と告知されました。前年に本国へ送還された父親は生活ができずアンデスの山奥へ消えてゆき、日本に残された母子が法務大臣に在留特別許可をお願いしていた矢先の宣告でした。
子どもに向けて「収容・強制送還」と告知されたとき、母親は「もう黙らない」と決意しました。母親は立ち上がり、国に在留許可を出すよう裁判を起こしたのです。次々に名を連ねた弁護士は13人に及び、「国際人権法や精神医学の専門家などにも協力してもらおう」と呼びかけています。
このペルー人母子のように、いつ送還されるかわからない日々に怯えて暮らす家族がたくさんいます。親たちには働ける在留資格がないため、教会で奉仕活動をしながら生活支援を受けてどうにか生きています。
「排除ZERO」を実行することは、「排除される人のがわに立つ」ということではないでしょうか。前途多難ですが、国籍や立場を越えた仲間が増えつつあるのを実感しています。
ビスカルド篤子 (カリタスジャパン援助部会委員・大阪教区シナピス)
クリスマス募金
カリタスジャパンでは今年も「クリスマス募金キャンペーン」を行います。クリスマス募金は、世界の子どもたちを支援するプロジェクトに充てられます。この時期、世界の子どもたちにあたたかい心を分け合いながら、幼いイエス様の誕生を待ち望みましょう。
「払込票付きちらし(いのりのリース)」「献金袋」「組み立て式の募金箱」(いずれもぬり絵)を用意しています。幼稚園、小学校、教会学校などでご利用になりませんか? ご入用の方はカリタスジャパン事務局までお申し込みください。本体、送料ともに無料です。
待降節中やクリスマスのイベントもカリタスとご一緒に♪
「排除(はいじょ)ZERO」キャンペーン期間中、教会、ブロック、教区、学校、グループなどで実施されるイベント(バザー、インターナショナルデー、勉強会など)に、カリタスジャパンも参加させていただけませんか? キャンペーンをテーマにした企画などの持ち込みも大歓迎です。まずはお気軽に、カリタスジャパン事務局までご連絡ください!
バザーに出展しました 10月15日、吉祥寺教会(東京)のバザーに出展しました。「排除(はいじょ)ZERO」 キャンペーンを中心とした出展で、リーチアウトフォト撮影などを通して多くの方々が キャンペーンに参加くださいました。
あなたの町の「カリタスさん」(キャンペーン編)
今回は船員司牧活動について、横浜教区担当司祭の濱田壮久(あきひさ)神父が紹介してくださいました。
横浜教区の船員司牧(AOS = Apostleship of the Sea)
横浜教区は長い海岸線を有し、沢山の国際貿易航路を持つ港があります。神奈川県では川崎港、横浜港、静岡県では清水港、焼津港で、港に行って船を訪問する「訪船活動」、船員たちの必要に応えて港の外までミニバンで送る「送迎活動」、霊的ケアとしての船上ミサや船の祝別、港の近くの教会での主日のミサへの招待などを行っています。待降節中は、手編みの帽子やタオルなどをラッピングして船員たちに贈っています。2016年は、4港で約1,400人にクリスマスプレゼントを贈ることができました。今年も、主の降誕の喜びを多くの船員と分かち合えますように。
船員司教とは… 私たちの生活は貿易によって支えられています。日本では年間9億トン以上の物資が輸出入 されていますが、この99.7%は海運によって支えられています。そこで、数カ月も船に 乗り続けている船員たちが寄港した時、少しでも暖かい気持ちになることができるよう、 世界中の国際港で船員司牧が行われています。