We are Caritas No.13

We are Caritas は年3回(2月、6月、12月)発行しています。
ご希望のかたは事務局までお知らせください。(無料)

 

“Respect the Refugees”(難民に敬意を)

所内BE*hive(「人間存在が生まれる空間」の意)で実施される参加型ワークショップ

緒方貞子*氏は、国連高等難民弁務官退職時に国連で行った演説を、標記の言葉で締めくくられました。難民に関わる姿勢を”Respect(敬意をもつ)”ということばで表わされたのです。その緒方氏が理事長を務められた国際協力機構(JICA)研修施設が長い間空き家になっていたものを、隣の聖心女子大学が清水の舞台から飛び降りて購入し、昨年10月に開所式を行いました。5階建ての4,5階は教室ですが、1~3階はグローバル共生について学ぶ研究機関と実践・行動の場を合わせた「聖心女子大学グローバル共生研究所」となりました。またJICA時代にレストランがあった同じ場所には、カフェジャスミンという多国籍料理のレストランが併設されています。

研究所では、「ロヒンギャ」「ドイツの原発」他、すでに多くのグローバル共生につながる講演、シンポジウム、ワークショップが行われています。それらに大変多くの参加者が多方面から集まり、現在の日本には緒方氏と同じように、現地に赴くことと政府機関と交渉することの両方ができる経験と言語能力を持つ人々が多くいることを知らされました。

この研究所開所式の数日前に、フランシスコ教皇は、移民・難民に関する「排除ZEROキャンペーン」の開始を呼びかけられました。この研究所の活動が、歩みを共にしていく一助となることを願っています。

岩井慶子(聖心女子大学学長補佐)

*緒方貞子…第8代国連難民高等弁務官(1991年2月〜2000年12月)として、世界の難民の保護と救済に励む。在任中の3期10年の間に、様々な人道危機の最前線で援助活動を行い、新しい難民支援の枠組みを作りあげた。2012年4月よりJICA特別顧問。(参考:国連UNHCR協会ウェブサイト)

 

Share the Journey 排除ZEROキャンペーン 〜国籍をこえて人びとが出会うために〜

以下のイベントを開催します。奮ってご参加ください! 全て参加費無料。お問合せはカリタスジャパンまで。

 

6月23日(土)アクションデー・J-CaRM大阪教会管区セミナー(排除のない多様性社会を目指して~わたしたちにできること~)

  • 時間 10:00~16:00(J-CaRM・カリタスジャパン合同プログラム10:00~12:00)
  • 会場 京都カテドラル河原町教会(京都市中京区河原町三条上ル下丸屋町423)
  • プログラム

10:00~12:00 [第1部] 排除ZEROキャンペーンとカトリック教会の20のアクションの提案

[第2部]送り出し国側の現状~なぜ、たくさんの移住労働者が日本にいるの?~

13:00~16:00  甄凱氏(岐阜一般労組)講演会「技能実習生の労働災害の現状とシェルターについて」

  • 概要/お勧めポイント

午前の部は、カトリック教会が軸とする20の取り組みを実現するための「排除ZEROキャンペーン」をより深く理解するためのプログラム。前半、排除ZEROキャンペーンの背景にある「カトリック教会が打ち出す20の取り組み」を学び、後半には、「なぜ、こんなに多くの移住労働者が日本にいるのか?」を知るために、送り出し国側の現状をパネルディスカッションで紹介します。

午後の部では、技能実習生を支援する労働組合から話を聞き、大阪管区内5教区の現状や課題を報告します。

  • 事前申込 不要

 

7月6日(金)グローバル共生公開講座

  • 時間 18:30〜20:30(レセプション17:00〜18:00)
  • 会場 聖心女子大学グローバル共生研究所(渋谷区広尾4-2-24 聖心グローバルプラザ(4号館))
  • プログラム

17:00〜18:00 レセプション(サモサとコーヒーのサービス) カフェ・ジャスミン(1F)にて

18:30〜20:30 講演「東アフリカ地域における難民・移住者」 フランシス・ンダミラ師(カリタスウガンダ責任者)、学生とのクロストーク

  • 概要/お勧めポイント

聖心女子大学グローバル共生研究所との共催! カリタスウガンダからゲストをお招きし、現地カリタスが行っている難民支援活動などについてお話いただきます。現場にも頻繁に足を運ぶ講師から、日本ではほとんど報じられないアフリカの現状を詳しく聞くチャンス。(通訳がつきます)

講演前のレセプションは、どなたでもご参加いただけます。数に限りがありますので(先着100名様)お早めに♪

  • 事前申込 要(申込先:聖心女子大学グローバル共生研究所またはカリタスジャパン)

 

7月7日(土)アクションデー・J-CaRM東京教会管区セミナー

  • 時間 10:00〜16:00
  • 会場 東京カテドラル 関口会館B1ケルンホール(文京区関口3-16-15)
  • プログラム

10:00~12:00  菊地功大司教(カリタスジャパン責任司教)による導入、菊地大司教とフランシス・ンダミラ師の対談、日本国内在住当事者の声を聴く

12:00~13:30  昼食(各自お弁当をご持参ください!)

13:30〜15:00 交流会

15:00〜16:00 国際ミサ

  • 概要/お勧めポイント

午前の部、ンダミラ師と菊地大司教の対談は必聴!! 日本在住の難民・移住者の方々の声とともに、世界の中の日本を考え直すきっかけになるでしょう。(午前の部には通訳がつきます)

午後の昼食や交流会では、言語や文化の異なる様々な参加者と「国籍を越えた」交流体験をします。言葉は分からなくても大丈夫。「多様性の中の一致」。みんなで一つになりましょう。

  • 事前申込 不要

 

7月10日(火)公開講演会

  • 時間 15:15~16:45
  • 会場 時間時間南山大学S棟2階 S22教室(名古屋市昭和区山里町18)
  • プログラム

講演「東アフリカ地域における難民・移住者」 フランシス・ンダミラ師、質疑応答

  • 概要/お勧めポイント

南山大学人類学研究所との共催で、「民族問題と人間の尊厳」科目の授業の一コマをお借りし、この日だけの一般公開講演会として行います。カリタスウガンダの支援活動、講師の経験や開発哲学を聞き、質問もできます!

  • 事前申込 不要

 

8月11日(土・祝)東京教区平和旬間委員会企画

  • 時間 14:00〜19:00
  • 会場 麹町教会ヨセフホール(千代田区麹町6-5-1)/東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂(文京区関口3-16-15)
  • プログラム

14:00~15:30 講演会「難民とともに生きる、日本社会の未来」 講師:駒井知会さん(弁護士)/会場:麹町教会ヨセフホール

講演会後 平和巡礼ウォーク

18:00~19:00 平和を願うミサ 主司式:菊地功大司教/会場:関口教会聖マリア大聖堂

  • 概要/お勧めポイント

教皇ヨハネ・パウロⅡ世の広島での平和アピールに応えて、日本の司教団により定められた平和旬間。8月6日から15日までの10日間、東京教区においても、さまざまな企画が催されます。

平和旬間委員会では、外国人の人権救済のための取り組みを続けておられる弁護士、駒井知会さんによる講演会を企画しています。講演後は、平和巡礼ウォークでカテドラルを目指し、最後は聖マリア大聖堂で平和を願うミサに与ります。

  • 事前申込 不要

 

11月24日(土)日本カトリック正義と平和全国集会2018名古屋大会分科会

  • 時間 10:00〜16:00
  • 会場 名古屋カテドラル布池教会地下ホール(名古屋市東区葵1-12-23)
  • プログラム

10:00~12:00 「排除のない社会をめざして―日韓の自死・自殺への取組みから―」(パネルトークとフロアディスカッション)

13:00~16:00 [第1部] キャンペーン紹介、当事者の声 [第2部] 世界各国の教会の祝祭日紹介

  • 概要/お勧めポイント

午前の部は、カリタスジャパン啓発部会が、2013年から交互に日韓両国で開催されている「日韓カトリック自殺対策シンポジウム」の一環として行う分科会です。両国の自死・自殺に関する取組みを通して、排除のない社会をめざすためにはどうしたら良いかを考えたいと思います。(日-韓通訳有)

午後の部は、カリタスジャパンとJ-CaRMが合同で行う分科会です。世界各地の難民・移住者の現状について知り、多国籍の参加者が出会い、各国の教会が大切にしている祝祭日を分かち合います。

  • 事前申込 要(午前の部のみ 申込先:カリタスジャパン)

 

マンスリーサポーターの皆様限定! フランシス・ンダミラ師との茶話会にご招待

いつもご支援ありがとうございます。

カリタスウガンダの「持続的農業プログラム」を継続的にご支援くださっているマンスリーサポーターの皆様を、特別に、フランシス・ンダミラ師との「茶話会」にご招待します!

お茶を飲みながら、ンダミラ師と気軽にお話してみませんか?(通訳がつきます)

茶話会参加ご希望のマンスリーサポーターの方は、カリタスジャパンまでお申込みください。

なお、マンスリーサポーターは随時募集しています。ご興味のある方は、カリタスジャパンまでお気軽にお問合せください。

 

7月に行う「アクションデー」の前後にウガンダからお招きしている

「フランシス・ンダミラ師」はこんな人!

受益者と談笑するンダミラ師(一番右)

  • カリタスウガンダ責任者(1998年〜現在)
  • カリタスアフリカ、カリタス東アフリカ地域、国際カリタスにおいても、代表や責任者、コーディネーターなどを務める。
  • ウガンダ南部 カバレ県 カンヌング生まれ
  • アメリカ・ニューヨーク大学で、社会学・開発学 博士号取得
  • カバレ教区司祭として叙階、教区シノドス事務局長、司教総代理を歴任
  • 御年76歳のンダミラ師はいつも元気!カリタスジャパンの視察には、いつも全行程同行します。
  • ウガンダ全国に60以上の支店を持つ銀行(Centenary Bank)の創設者!
  • ウガンダで現在使われている現地語の典礼聖歌を作詞作曲したのも彼!

皆様、この機会をお見逃しなく!圧倒的存在感を放つンダミラ師の話を聞きに、彼に会いに、是非お近くの会場まで足を運んでください!

 

カリタスウガンダ 南スーダン難民支援

一人ひとりの尊厳を守り、希望づくりのお手伝い

支援物資を待つ子どもたち

2016年7月、南スーダン首都ジュバにおいて大統領派と第一副大統領派が衝突したことから、同国内の情勢は悪化し、多くの避難民が庇護を求めて国境を越えました。隣国であるウガンダはその代表的な受け入れ国の一つです。

スキルトレーニングの様子

ウガンダ政府の「寛大な難民受け入れ体制」が後押しをし、カリタスウガンダは「難民一人ひとりの可能性」を尊重しながら、緊急時の支援が「後のそれぞれの自立」を促していくような「新たな形の難民支援」に挑戦しました。そして2016年8月を機に、これまでになかった難民支援の第一歩を踏み出しました。それは、従来の緊急物資提供に加え、これから先しばらくその土地で生きていくためのスキルトレーニング*を初期段階から導入し、自身の能力を付加しながら、さらに生活を向上していくことを促すというものです。

活動の様子

受け入れコミュニティと協働したこの新たな形の支援は5万人以上の人々に届き、「自分たちの力を軸に生きていく」基盤を作ることで、わずかながらに「活力」と「希望」を構築しています。

このたび「排除ZEROキャンペーン」を機に、カリタスウガンダ責任者であるフランシス・ンダミラ師が来日し、カトリック教会ならではの取り組みともいえる、この貴重な活動が私たちと共有されます。(詳細は上記のイベント参照)

*健康な生活のための習慣・環境づくりと所得創出のための技術を伝授する総合的なトレーニング

この取り組みは、世界の人々にとって関心深いものとなり、UNHCR(ジュネーブ)へも発題されました。

 

排除ZEROキャンペーン 限定グッズ!

キャンペーングッズ第2弾として、Tシャツを作成しました。

小教区、活動グループ、支援団体の皆さんに、原価(1枚800円予定)でお分けします。ご希望のグループの方は、申込用紙にてカリタスジャパンまでお申込みください。

色は、黒、紺、紫、緑、黄、緑青(ターコイズブルー)、洋紅(フューシャ)の7色。サイズは、S、M、L、XLの4サイズです。

個人の方は、小教区、活動グループ、支援団体が主催する行事、またはカリタスジャパン排除ZEROキャンペーンの行事(講演会、学習会など)にて、入手することが可能です。

 

あなたの町の「カリタスさん」(キャンペーン編)

今回は、福岡教区の美野島司牧センターについて所長のコース・マルセル神父にご紹介いただきます。

人びとを愛し、団結し、ともに歩み続ける

再建されたセンター

4月7日、福岡教区の宮原良治司教によって、再建された美野島司牧センター(以下、センター)の落成祝福式が行われました。教皇フランシスコは「教会は周辺に向かい大きく扉を開いて、野戦病院のようにならなければならない」と強く言っています。社会の中で一番小さな人、排斥されている人、心が弱っている人と、優しさや思いやりを持ってともに歩むことが教会の役割だと言っています。センターはこの言葉を実現するために、開設から今日にいたるまで25年間、外国人の世話、ホームレス支援、薬物依存症者のリハビリ(DARC)の活動を続けています。

新しくなったセンターでの炊き出し

センターは長年の歩みの中で大勢の方々に助けられてきました。しかし数年前から建物の老朽化が進み、最終的に熊本地震の影響で使用できなくなったため、解体を余儀なくされました。宮原司教は私たちの活動を評価し、福岡教区の福音宣教のために大切と思い、多くの協議を重ねてセンターの再建を決めました。

 

祝賀会にて。前列中央が宮原司教、同じく右から4番目がマルセル神父

センターには、活動のために大勢のボランティアが集まります。カトリック信者だけではなく、プロテスタント、仏教徒、それぞれの宗教とイデオロギーを持ちながら、しかし同じ志で小さな人たちを愛し、彼らとともにいつくしみを持って団結し、ともに歩み続けたいという気持ちでつながっています。人生の荒波や幸福を味わうことができなかった人の顔の上にイエス様の顔を仰ぎ見ながら、美野島司牧センターは歩み続けていきたいと思います。