We are Caritas No.25(2022年夏号)ができました。
ご希望のかた(無料)は、事務局までお知らせ下さい。
巻頭言 ともにケアの文化を
今年2月に行われた司教総会にて、菊地功大司教様の後任として、カリタスジャパン担当司教の任命を受けた成井大介と申します。菊地大司教様が27年の長期にわたり支え、導いてきたカリタスジャパンが、これからも時代が必要とする事柄に福音的な価値観を持って取り組んでいけるよう、微力ながら尽力して参ります。私は2006年から2013年までカリタスジャパン援助部会の秘書を務めた時、本当に多くの方が、思いを込めて、カリタスジャパンを通して愛の行いに取り組んでおられるのを見てきました。この尊い活動に、また皆様とともに参加できることを感謝しています。
これまでカリタスジャパンは、責任司教、担当司教、援助部会秘書、啓発部会秘書と、司教二人、秘書二人の体制で活動を進めて参りましたが、この度司教一人、秘書一人体制となりました。これは、援助部会と啓発部会が、すべての人が大切にされる社会の実現という一つの目標に向かって、一体感を持って取り組んでいくための新たな試みです。今年は委員の皆様にとっても任期の切れ目の年ですので、多くの方の入れ替わりがありました。これまで委員としてご協力いただいた皆様、新たに委員を引き受けてくださった皆様に感謝いたします。
さて、すでに前号にてお知らせいたしましたが、国際カリタスは新たなグローバルキャンペーン、「Together We(トゥギャザー ウィー)」を昨年末から開始しました。コロナ禍や戦争などによって引き起こされる社会のひずみの中で、特に弱い立場にいる人々や自然環境が影響を受けています。これらの人々や環境が、「あなたたち」ではなく「わたしたち」なのだという意識を持って、互いをケアし、大切にしあう「ケアの文化」を教会共同体として育て、広めて参りたいと思います。皆様のご協力をお願いいたします。
カリタスジャパン担当司教 成井大介
TOGETHER WE キャンペーン ともに ケアの文化を
国際カリタスは「総合的エコロジー」に関するキャンペーンを開始しました。
誰であれ、どこにいても、すべての「人間の尊厳を守る」ことは、カリタスが70年にわたって取り組んできた社会正義をめぐる教会の教えの出発点となっています。過去半世紀にわたり、世界は力強い経済成長を遂げてきました。しかし、その代償として、気候変動、森林伐採、海洋酸性化、大気・水質汚染などの環境悪化が広がっています。また、最近の新型コロナウイルス感染症の蔓延は、社会的疎外などの分断を生み、移動や自由の制限、雇用や自立の喪失など、多くの人々の尊厳を奪ってきました。これらの環境の変化によって最も被害を受けるのは、弱い立場においやられた人々、最も貧しい人々です。現に、極度の貧困、過疎化、移民など、弱い立場の人々のいのちを脅かし、尊厳を踏みにじる事態をも生み出してきました。
カリタスは「ともに暮らす家(地球)」「ともに生きる兄弟姉妹」の叫びに耳を傾け、そしてその叫び、人々を中心に置いた社会、すべての人の尊厳を守ることができる社会に変えていくために、今回のキャンペーンを展開します。
このキャンペーンは、回勅『ラウダート・シ』『兄弟の皆さん』などを通して、教皇フランシスコが示された「すべてはつながっている」という総合的エコロジーのもと、相互協力の新たな感覚(ケアの文化)と新しい連帯の形(ケアの共同体)を進めていこうというものです。今、私たちが取り組んでいる活動、そして、これから取り組みたい活動などを通して連帯し、「ともに暮らす家(地球)」「ともに生きる兄弟姉妹」の叫びに耳を傾け、ともに自分のこととして考え、誰もが大切にされる社会を築いていきましょう。
- キャンペーン名
ともに私たちは TOGETHER WE (トゥギャザー ウィ) - スローガン
より良い明日のために 今日行動しよう ACT TODAY FOR A BETTER TOMMORROW - 実施期間
2021年12月〜2024年12月(予定) - キャンペーン目標
教皇フランシスコの回勅 『ラウダート・シ』『兄弟の皆さん』などに示された呼びかけに応え、ともに消費主義が招く「無関心」から抜け出し、地球や弱い立場に追いやられた人々の叫びに耳を傾けながら、相互配慮をベースとした ケアの共同体 (愛の実践共同体)を促進しともに ケアの文化 を構築していきましょうというものです。
ケアの共同体とは?総合的エコロジーのもと◎貧困への取組み◎排除された人々の尊厳の回復◎自然保護を実践していくコミュニティのこと
総合的エコロジーとは?◎すべてはつながっている◎環境問題は社会問題であり人間の問題でもある◎自然環境と弱い立場に追いやられた人々には密接なつながりがあるとして「いのち・環境・平和」を一つのつながりとして捉えること
ケアの文化とは?今日はびこっている「無関心・使い捨て・対立の文化」に打ち勝ち、「わたしたちがともに暮らす家を大切にし、互いに耳を傾け、向き合い、納得し合い、ともに歩むことができる社会を目指す文化」です
詳細は、キャンペーンページにてご確認下さい。