We are Caritas No.26(2022年冬号)ができました。
ご希望のかた(無料)は、事務局までお知らせ下さい。
We are Caritas 26号は、クリスマス特集号となります。内面には「カリタスジャパン 祈りのリース」として、本年度のカリタスジャパンの支援先に関する写真を飾ったリースを縦型に配置しています。リースは、12月1日から24日までのアドベントカレンダー形式となっており、リースの下には、支援先の皆さんの声、叫びや、回勅『兄弟の皆さん』、『ラウダート・シ』の言葉を掲載しています。すべての兄弟姉妹が、ともに、よき主のご降誕祭と新年を迎えることができますように・・・。
巻頭言
「ようこそイエスさま」という聖歌は、主イエスの「よわさ」や「まずしさ」をとおして、歓迎と感謝、賛美へと、主の降誕祭を待ち望む人々を包みます。
王の誕生を祝うために旅をしてきた占星術の学者たちは、喜びのうちに贈り物を幼な子イエスに献げました。またヘロデ王が幼な子を殺そうとしていたので、聖家族はエジプトに逃避しました。マタイ福音書第2章が告げる主の降誕の物語です。多くの人に喜びをもたらす人間の誕生が、いのちの戦いの始まりでもあることを思い起こします。
今、皆が暮らす家である地球の叫びと人々の叫びがあふれています。カリタスジャパンは、世界中のカリタスとともにキャンペーン「TOGETHER WE(トゥギャザーウィ)」を展開しています。カトリック教会が「ともに歩む」という原点に立ち返って旅をしていることにつながっています。幼な子イエスの旅によって、どんな人の旅も時と場所を超えてつながっていると思うのです。
力がなく弱い存在で、周辺部へと追いやられ、うずくまっているわたしたちの兄弟姉妹の声を聞く人々のうちに、ともに歩んでくださる幼な子イエスは、希望の光を灯されます。わたしたち一人ひとりは小さなものですが、誰かのいのちを支える者でもあります。
わたしたちの旅が、ともにケアの文化をはぐくみ、「すべてのいのちを守るため」のはたらきをともにしてくださる兄弟姉妹の皆さんと、絆をもっと深めることができますように。
瀬戸高志神父(カリタスジャパン秘書)
「ようこそイエスさま」の歌は、長崎大司教区家庭委員会のYouTubeチャンネル「手話でようこそイエス様を歌いましょう」で聴くことが可能です。https://youtu.be/nQc50KK8iz8
2022 カリタスジャパン TOGETHER WE 祈りのリース
祈りのリース(以下のテキスト付)PDF ダウンロードはこちらから
12月1日: 2022年2月24日、たった1日で、すべてのウクライナの子どもたちは戦争の子ども(戦争体験者)になりました。彼らが再び、普通の子ども時代を過ごすのにどのくらいかかるのでしょうか。<カリタススペス(ウクライナ)のTwitter>【写真】親と一緒にモルドバ国境にたどり着いた子ども©Marijn Fidder/Caritas international
12月2日:彼女は英語もルーマニア語も話せませんでした。しかし、その手でハートを描いているのです。そして、覚えたての言葉で「ありがとう!」と言ってくれました。<現地ボランティアスタッフの言葉>【写真】ウクライナからの避難民を受け入れるマリア難民センター(ルーマニア)の様子©Informatia Zilei
12月3日:今、何故ここにいるのかまだわかりません。毎晩、お父さんにその理由を聞いています。<2022年3月、家族でウクライナからモルドバに避難した男の子の言葉>【写真】男の子(9歳)と彼の妹©Caritas Moldova
12月4日:私たちのところに来る子どもたちは、家族や両親のいない施設で暮らしていました。戦争も彼らに襲いかかり、未知の土地に行くことを余儀なくされました。小さな難民たちは長い旅の後に、ここがすぐに自分たちの場所であることに安堵し、落ち着きました。その日の夜は、重度の視覚障害を持つ男の子の素晴らしい歌声でのコンサートとなりました。<現地スタッフの言葉>【写真】ウクライナからルーマニアの安全な場所(シレト・トランジットセンター)へ向かう孤児や障害のある子どもたち©Caritas Romania
12月5日:私は遊びに来たのではありません。他に選択肢がなかったから来たのです。お金や家が欲しいわけではなく、ただ家族の安全を確保したいだけなのです。<家族5人、地中海をいかだで渡っていた際に救出されたアフガニスタン出身の男性の言葉>【写真】「カリタスマリ移民の家」©Caritas Mali
12月6日:わたしたちは、新たなプロセスや変革を始めたり生み出したりできる、共同責任の場に置かれています。傷付いた社会の回復と支援に、積極的に参与しなければなりません。<回勅『兄弟の皆さん』§77>【写真】「笑顔いっぱいのランドセル」キャンペーン:ウクライナからの避難民とポーランドの子どもたち1万人に配られたバックパック©PAP/Darek Delmanowicz
12月7日:私はありったけの荷物を手に持ってそこに立っていました。娘たちは目に涙をため、恐怖に震え、私のそばにいました。私の心は必死に叫び、抗議し、恐怖を感じました。目の前には国境、後ろには私の人生、家、国……(このような90年代の戦争体験を経て)今は、自分に与えられた、何物にも代えがたいものを差し出したいと思うようになりました。<ボランティアスタッフの言葉>【写真】ハンガリー国境近くのセンターで働くボランティアスタッフ©Caritas Hungary
12月8日:わたしたちは、他人に、とりわけいちばんの弱者に対し、無関心でいる誘惑に取り巻かれていることを知る必要があります。いわば、私たちは多くの面で成長を遂げたものの、発展した社会において、もっとももろく弱い人々に寄り添い、世話をし、支えることには無知なのです。<回勅『兄弟の皆さん』§64>【写真】教室で学ぶ子どもたち(カリタスバングラデシュ チッタゴン丘陵地域)
12月9日:人間環境と自然環境はともに悪化します。人間や社会の悪化の原因に注意を払うことなしに、環境悪化に適切に立ち向かうことはできません。実際、環境と社会の悪化は、地球上のもっとも弱い人々に影響します。<回勅『ラウダート・シ』§48>【写真】2022年2月の洪水で、食料や住まい、生活物資の支援、農具や漁具など生計を立て直す支援を行っている(フィリピン)。洪水支援で配られたキット©Caritas Philippines
12月10日:成長は促したものの、全人的発展には資することのなかった、経済の法則があります。富は増えても格差が伴い、そこからは、「新しい貧困の形態が出現」しているのです。貧困はつねに、歴史の実際的な時点の現実的な可能性の文脈で、分析され、理解されるべきです。<回勅『兄弟の皆さん』§21>【写真】移住者と帰国者の家族の生活を強化するプログラム。トマトの有機栽培(ネパール)
12月11日:人間的で兄弟的な社会とは、必要最低限のものが保障されるだけではなく、多くの利潤を産まないとしても、時間がかかろうとも、効率とは程遠くとも、その人がベストの力を発揮できるよう、誰もが人生の旅路において寄り添いを得ることが、効率的かつ安定的に保障されるよう努める社会です。<回勅『兄弟の皆さん』§110>【写真】デイケアセンターでの依存症のリハビリプログラム(オンブレ・ジャパン)
12月12日:毎晩、ここに爆弾が落ちないように、そして家族として一緒にいられるように祈っています。忙しくするために、私たちはたくさんのゲームをしたり、一緒に料理をしたり、手工芸品を作ったりしています。彼ら(里子)を支援する手段として、お金よりも大切であると思っています。<両親を亡くした子どもたちのための家(孤児院)を管理する女性(自身も避難者)の言葉(リヴィウ)>【写真】8人の里子との語らいの時© Mickael Franci / Cordaid
12月13日:示されているのは、自分の所属する集団の仲間かどうかにかかわらず、助けを必要としている人の前にいるようにということです。ですからこれからは、助けなければならない「隣人」がいる、ではなく、他者の隣人となりなさい、との呼びかけを聞く、そういいたく思います。<回勅『兄弟の皆さん』§81>【写真】来てくださる人を歓迎する入口ドアの案内サイン(リカバリーライフ)
12月14日:次のシーズンに向けて作物を植える必要があるのですが、水がありません。何をしたらよいのかもわかりません。<1日1食しか食べられない子どもたちのために24時間近く歩いて水を得ている母親の言葉(エチオピア)>【写真】エチオピアの旱魃(かんばつ)の様子©Caritas Internationalis
12月15日:先ず衣食住を整え、安心を与え、安らぎの場を提供することが一番。そこから今後の生活についての相談を受けながら、ともに考え、行政、入国管理事務所などへの相談に一緒に出掛け、彼らの将来を考えていきます。仲間内でネット情報が溢れ、悪い情報に乗せられてしまうこともあり、少しでも希望が満たされるように導いていくことが大事な役割です。<愛の実行運動本部スタッフの言葉>【写真】シェルターでの帰国前の交流会の様子©愛の実行運動本部
12月16日:気候は共有財の一つであり、すべての人のもの、すべての人のためのものです。人類は、この温暖化と闘うため、あるいは少なくともそれを生み出し悪化させている人為的要因と闘うために、ライフスタイルを変え、生産と消費に変化をもたらす必要があることを認めるよう求められています。<回勅『ラウダート・シ』§23>【写真】食糧支援を受けた洪水の被災者(パキスタン、ファイザラバード)©Caritas Pakistan
12月17日:技能実習生のかたから「みんなが背負うかばん(ランドセル)は同じですね。それは何のために同じにするんですか?」という質問がきて、子どもたちは「どうしてだろう・・・」と考えを巡らせていました。「自分の当たり前が当たり前でない」ということを対話から感じたようでした。<同席したスタッフの言葉>【写真】気仙沼の小学生によるインドネシアからの技能実習生へのインタビュー©地球対話ラボ
12月18日:私の人生は今とは違っていました。優しい性格は仕事には役に立ちません。限られた200のキット配布の時、201人目の人に「すみません、明日来てください」と言える強さを持たなければならないから…。でも私たちは最善を尽くします、さらにさらに尽くすのです。<現地カリタススタッフの言葉>【写真】ウクライナのオデーサ地区のカリタス「希望の家」©Caritas Spes-Ukraine
12月19日:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのような世界的な悲劇が、同じ船で航海する世界共同体としての意識を一時的に目覚めさせてくれたことは確かです。一人で救われるのではなく、ともに救われる道しかないことをわたしたちは思い出しました。<回勅『兄弟の皆さん』§32>【写真】長崎「みんなの食堂」で配布した持ち帰り用キーマカレー©長崎おとな食堂実行委員会
12月20日:必要なのは、さまざまな表現手段と社会参画です。教育は、人間一人ひとりが自分の将来の設計者となるためにあるのです。そこにおいては、連帯の原理と切り離せない補完性の原理が価値を示します。<回勅『兄弟の皆さん』§187>【写真】地域の若者による小学生を対象とした放課後授業クラスの開講式に集まった子どもたち©Caritas Mwanza(タンザニア、ムワンザ地域)
12月21日:あなたの心が何かを伝えたら、それに耳を傾けて行動する必要があります。すべての人に人間の顔があります。一人ひとりの人間に目を向け寄り添うこと、これこそがカリタスの支援であり、その素晴らしさなのです。<カリタスウクライナ事務局長の言葉>【写真】リヴィウに逃げてきた女性をハグする事務局長©Fabian Berg/Caritas Germany
12月22日:ウクライナの脆弱な立場の人の生活を助けるカリタスモルドバの活動への支援に、深い感謝の意を表します。モルドバ共和国の貧困を克服し、最も貧しい人々への愛、関心、ケアを提供するために、カリタスジャパン(日本の皆さん)からの支援は私たちにとって非常に重要です。<カリタスモルドバからのメッセージ>【写真】2022年7月1日付のカリタスモルドバのウェブサイトより
12月23日:あなた自身とあなたの愛する人たちを大切に!
<10月3日、ミサイル攻撃を受けた際のカリタスウクライナからのメッセージより抜粋>【写真】カリタスウクライナFacebookの記事
12月24日:見よ、わたしは使者を送る。/彼はわが前に道を備える。/あなたたちが待望している主は/突如、その聖所に来られる。/あなたたちが喜びとしている契約の使者/見よ、彼が来る、と万軍の主は言われる。<マラキ3・1>【写真】ウクライナからスロベニアに避難する女性と幼な子©Tony Fric / Caritas Slovenia