We are Caritas No.29

 

We are Caritas No.29(2024年冬号)ができました
ご希望のかた(無料)は、事務局までお知らせ下さい。

We are Caritas 29号は、クリスマス特集号となります。内面には「カリタスジャパン祈りのリース」として、本年度のカリタスジャパンの支援先に関連する写真を飾ったリースを縦型に配置しています。リースは、12月1日から24日までのアドベントカレンダー形式となっており、リースの下には、支援先の皆さんの声、回勅などの言葉*、回勅を実践している人々の姿や話などを掲載しています。すべての兄弟姉妹が、ともに、よき主のご降誕祭と新年を迎えることができますように・・・。

*回勅『兄弟の皆さん』(FT)、同『ラウダート・シ』(LS)、使徒的勧告『ラウダーテ・デウム』(LD)などからの抜粋とし、中略、「」等の省略、項目内の順序の入れ替えをしている箇所があります。

 

巻頭言

平和の君がお生まれになった。アレルヤ。

真っ暗な世界に、小さな命が誕生しました。その命は光として世を照らすのです。
ヨハネ福音書冒頭で語られる良き知らせが、今こそ、求められる時代ではないでしょうか。
わたしたちがともに住まうように、神がお造りになった地球に、
人間は武器の閃光で夜にも昼にも恐怖をもたらしています。
神が極めて良かったと喜んでくださった人間はどこに行ってしまったのでしょう。

タンザニア・ムワンザ州クウィンバ郡の小さな集落で、子どもたちの声が響きます。
「ア、エ、イ、オ、ウ」、「モジャ、モジャ」、スワヒリ語の発音練習と数字の1です。
小学1、2年生への、読み書きと初歩の計算の青空教室です。
ムワンザ教区カリタスが、地元の青年を補助教員として行う学習支援活動です。
皆様のご協力とご支援を受けて、カリタスジャパンは、この活動を援助しています。
皆様のご理解によって、タンザニアの人々とつながることができ、心から感謝いたします。
初等教育は、国に第一の責任があると思いますが、この支援活動の連携をとおして
子どもの将来に寄り添い、より良い未来に貢献できると信じて祈ります。

幼な子イエスの成長に、マリアとヨセフは、特別の役割を果たしました。
そのまわりにも多くの人々がいました。
子どもが真ん中にいて、互いを大切にしあう愛と希望に満ちた、
命が大切にされる世界になりますように。

瀬戸高志神父(カリタスジャパン秘書)

 

2024 カリタスジャパン TOGETHER WE 祈りのリース

祈りのリース(以下のテキスト付)PDF ダウンロードはこちらから

12月1日: 数えきれない相違点を持つものが存在するということは、いかなる被造物も自らだけでは存続していけないということを教えてくれます。<LS86>【写真】マングローブを植えるカリタスキリバスのユース(若者)メンバー ©Caritas in Oseania

12月2日:パンデミックが引き起こした痛み、不確実性、不安、自己の限界への気付きは、わたしたちのライフスタイル、関係性、社会の組織、そして何よりもわたしたちの存在の意味を、見つめ直すようにとの声を響かせています。<FT33>【写真】カリタスフランスによるコロナ禍のホームレス支援 ©Caritas France

12月3日:エチオピアでは、人を死に追いやるほどの乾燥と暑さが続き、6月から9月の雨季は深刻な洪水にも見舞われます。埃で乾燥した硬い土壌はもはや雨水をすべて吸収することができません。緊急援助を必要とする人々に迅速に届け、気候変動の影響に苦しんでいる人々には、差し迫った災害リスクを軽減しながら長期的に支援することが必要です。【写真】アディグラ(エチオピア)の荒野 ©Sebastian Haury/Caritas International

12月4日:先住民共同体にとって、土地は商品ではなく、むしろ神からの、また、その土地に眠る先祖たちからの贈り物であり、自分たちのアイデンティティと価値あるものとを守り続けるために交流する必要のある聖なる空間です。<LS146>【写真】マナウス(ブラジル)に移住した先住民ティクーナ族の一家が作った伝統的ネックレス ©Caritas Internationalis

12月5日:自然環境の劣化によって真っ先に大きな苦境にさらされるのは貧しい人のいのちと暮らしで、貧困問題と環境問題は別々の問題ではなく、同じ根をもつ一連の問題群であり、その解決には個々の根にまで届く抜本的なアプローチが求められるということです。<見よ、それはきわめてよかった 13>【写真】ビハール州とアッサム州で洪水被害を受け避難する少年(カリタスインドによる清潔な水と衛生面の支援) ©Caritas India

12月6日:一人ひとりの存在は他者の存在と深く結びついているということ、人生はただ過ぎ行く時間ではなく出会いの時間だということです。<FT66>【写真】カリタスウクライナによるソーシャルワーカーの訪問ケア ©Caritas Ukraine

12月7日:すべての人は兄弟姉妹-この主張は、それが抽象にとどまらず肉を得て具現化すると、幾重もの課題を提示してわたしたちに考えを改めさせ、新たな視野を持って新たな対応を展開するよう突き動かします。<FT128>【写真】出稼ぎからネパールに戻り、支援を受けて始めた軽食の屋台 ©Caritas Nepal

12月8日:人間の生命や知性や自由は、わたしたちの惑星地球を豊かなものにする自然の要素であり、自然の内なる働きの、また、自然の平衡維持作用の一部です。 <LD26>【写真】「こどもの居場所」(大阪・南津守)のこども食堂の壁にペンキを塗る子どもたち ©カリタスジャパン

12月9日:平和への道とは社会の画一化の事ではなく、わたしたちをともに働けるようにするものです。すべての人に益となる共通の目標を掲げて、多くの人を団結させます。<FT228>【写真】カリタスブロディ(ウクライナ)の「子どもたちと若者の未来への準備」サマーキャンプ ©Caritas International

12月10日:独りで人生に立ち向かえる人はいません。ともに夢見ることはどれほど大切でしょう。独りでは幻想を抱いてしまい、そこにないものを見てしまう危険があります。夢はともに編むのです。<FT8>【写真】パレスチナ ベイト・サフールのアラブ女性連合での共同作業 ©Caritas Czech Republic

12月11日:アマゾンは重要な炭素吸収源で水分の貯蔵庫ですが、新たなプランテーション建設や金採掘のための森林伐採が環境と人々に重大な影響を及ぼしています。カリタスペルーは、森林伐採の代わりに、カカオやバナナの木、在来種の野菜などを木のすぐそばや木の下で栽培する多角的な栽培を人々に紹介しています。この方法は、土壌を浸食から守り、生態系を強化し、干ばつや洪水に対する回復力を高めます。【写真】気候に配慮した森林農業に取り組む ©Bente Stachowske/Caritas International

12月12日:愛の霊に従順であれば、人の姿勢はがらりと変わります。つまり園を「略奪する者」から「耕す人」へと変えられるのです。大地は人間にゆだねられていますが、神のものであることに変わりはありません。<2024年被造物を大切にする世界祈願日 教皇メッセージ「被造物とともにあって、希望し行動しよう」>【写真】カリタス畑にサツマイモの苗を植える幼稚園児 ©カリタス南相馬

12月13日:イエスは、神がお造りになったものに日々触れながら、職人としてそれに形を与える手仕事を生業としていました。印象深いのは、何ら称賛を呼び起こさない簡素な生活の中で、イエスの生涯の大半がそうした仕事にささげられたということです。<LS98>【写真】カリタスバングラデシュによる太陽光照明とガスストーブの修理技術訓練を受ける少年たち ©Caritas Bangladesh

12月14日:どの戦争も必ず、世界を、かつての姿よりもいっそう劣化させます。こうした暴力の犠牲者が伝える真実に意識を向け、彼らの目を通して現実を見つめ、開かれた心で彼らの話に耳を傾けようではありませんか。<FT261>【写真】220万人の市民の大半が避難民となったガザ ©Caritas Jerusalem

12月15日:わたしたちには毎日、新たな機会、新たなステージが与えられます。わたしたちは、新たなプロセスや変革を始めたり生み出したりできる、共同責任の場に置かれています。傷ついた社会の回復と支援に、積極的に参与しなければなりません。<FT77>【写真】チャドで農民として働くスーダン難民女性 ©Caritas Internationalis

12月16日:近づくこと、伝えること、耳を傾けること、目を向けること、互いを知ること、互いに理解しようとすること、接点を探すこと-このどれもが動詞「対話する」に集約されます。会って、助け合うには、対話が必要です。<FT198>【写真】TOGETHER WEキャンペーンでの分かち合いの寄せ書き ©カリタスジャパン

12月17日:一つの環境問題が話題に上るたびに、それに対する技術的修復ばかりを追求することは、実は相互につながっているものを切り離し、全地球システムに及ぶ問題の真相と根深さを覆い隠すことになります。<LD57>【写真】カリタスネパールによる気候変動啓発プログラムの参加者 ©Caritas Nepal

12月18日:移民との出会いは、助けを必要としている兄弟姉妹一人ひとりとの出会いと同様、主との出会いの機会であり、それは救いの任務を負う機会なのです。わたしたちの助けを必要とする兄弟姉妹のうちに、イエスはおられるからです。<第110回世界難民移住移動者の日 教皇メッセージ「神はその民とともに歩まれる」>【写真】美容技能訓練に励む国内移住者の若者たち ©Caritas Cambodia

12月19日:社会に向かう愛は、日々のささやかな言動を重視しつつ、環境悪化を食い止め、また「ケアの文化」を促進し社会全体に浸透させる、もっと大掛かりな戦略を考案するようにと私たちを駆り立てます。<LS231>【写真】日本各地からのボランティアによる能登半島での支援活動 ©カリタスのとサポートセンター

12月20日:「単なるレッスンではありません。お互いを尊重し、大切にし、仲良くすることを教わる。グループの雰囲気が好きです。一つのレッスンが終わると、すぐに次のレッスンのことを夢見るんです。」【写真】2年半にわたり戦争が続くウクライナのカリタスカミアンスケの児童センターで行われるレッスンについて語る10歳のソフィア ©Caritas Ukraine

12月21日:わたしたちを包み込んで支える世界を大切にすることは、わたしたち自身を大切にすることです。同じ家に住む「わたしたち」にならなければなりません。<FT17>【写真】安全な水を手にする子どもたち(カリタスゴマ/コンゴ民主共和国)©Caritas Bitita Dany

12月22日:わたしたちは、対話、落ち着いた話し合い、あるいは熱い議論を通して、ともに真理を探し求めることができます。<FT50>【写真】宗教摩擦が激化したジャランワラ(パキスタン)で開催された対話集会で記者会見に応じる諸宗教リーダーたち ©Caritas International

12月23日:働くことは生活の糧を得るための手段であると同時に、他者に奉仕し、己を活かし、生きがいを見出す行為でもあります。仕事に就くとは、その人を必要とする場が社会にあるということです。そして社会から必要とされるということは、一つの使命への神からの招きでもあり、人間の尊厳に欠くことのできないものです。<いのちへのまなざし 30>【写真】カリタスネパールの支援で持続可能な唐辛子栽培を共同農場で行う女性たち ©Caritas Nepal

12月24日:希望は大胆であり、個人的な快適さを、視野を狭めてしまう小さな安全や補償を、超えるものです。それは人生をより美しく、尊厳あるものとする、大きな理想に開かれるためのものなのです。<FT55>【写真】カリタスマルサビット(ケニア)の学校給食支援により空腹に悩まされず授業に集中する子どもたち ©Sebastian Haury/Caritas International